閲覧注意! いますぐ台湾へ飛びたくなる「高雄おいしいものリスト」

中日対照エッセイ3

而立会の中国人会員が中国語で書いたエッセイを、日本人会員が日本語に訳す、という中日コラボの試み。
第3篇は、お腹がすくこと必至! 台湾グルメのエッセイです。


故乡美食随笔

鄭 悠哉(てい ゆうさい)

  我的父亲是台湾人、母亲是日本人,父母结婚后回到台湾定居,我在台湾高雄市出生长大,台湾是我的故乡。从小奶奶与我们同居所以我们的餐桌上除了母亲的日本菜和西餐以外还有奶奶的台湾菜上桌,很是丰盛。奶奶的厨艺很好,除了家常菜还会因应时节烹煮各式各样的传统料理,台湾传统习俗的概念就在她「食育」的教导下打了根基。

  十多年来,每天早餐享用的豆浆和稀饭都是她亲手做的。奶奶做的卤肉、肉粽、排骨汤、麻油鸡、花枝丸和汤圆都是我的最爱也最难忘。她,让我又崇拜又怀念。母亲也很努力学习做中国菜,红烧牛肉、清蒸鲈鱼都成为她的拿手好菜。她做的便当每每受到同学们的瞩目,我也感到骄傲。每逢周末为了体恤奶奶和母亲,父亲会到市场买烧饼、油条、肉包和小笼包来当早餐。中餐会买手工的生水饺在家下水饺吃或外带鸡肉饭、肉燥饭、排骨便当等回来。当然有时也会上饭馆。我最喜欢去从小吃到大的「港园牛肉面店」吃牛筋、牛肚和牛肉拌面,有余力时还会到对面的「高雄牛乳大王」喝500cc的木瓜牛奶。有时父亲会在餐厅包厢订席,围着大圆桌吃的白斩鸡、腰果鸡丁、烤乳猪、蜜汁火腿、红烧牛腩、北平烤鸭、饮茶等也令人回味无穷。真是无上幸福!

  为了升学来到日本。当年在这里很难吃到让自己心满意足的中国菜和台湾菜,我不太上中华菜的馆子,拉面、饺子(锅贴)和炒饭也几乎都沒吃過。这对于喜欢日本菜的我来说并不是什么大问题,想吃回台湾吃便是。每次回去,母亲为了我,每天到市场寻找最新鲜的鱼、虾、蛤蜊和蔬菜、水果等。拥有港都之称的高雄,海鲜雄霸天下。水果的種類更是豐富。台湾是出名的水果王国,芒果、荔枝、龙眼、芭乐、莲雾、香蕉、西瓜等,应有尽有。应时的水果最是美味。父亲也会很热切的问我想吃什么?看是「国民市场」的羊肉汤、四神汤、豆花、「云家」的柠檬汁、还是「六合夜市」的烤鸡翅、台南担仔面,七贤路「阿婆仔冰店」的红豆芋泥冰呢?每样都令人垂涎三尺,想吃的选项太多实在无法抉择。即使一天5餐也无法吃尽呢!

  光阴匆匆如逝水,在日本待得越久就越会想念台湾的菜肴。近几年,为了回日本后能自己做台湾菜,以解乡愁,回台湾时往往会在当地的超市「全联福利中心」、大卖场「家乐福」、三鳳中街的中药行、小百货「宝雅」等购买台湾的调味料、食材、泡面、零食及日常用品。「采购食材」像是在寻宝,也是回家的乐趣之一,永不厌倦!

  今年原本计划回台湾的,但因为新型冠状肺炎疫情影响而作罢。不能回台湾吃美食,只好勾起昔日记忆自己下厨还原家乡味。还好家里还有些访台战利品,不然还得远征横滨中华街呢!酸菜萝卜排骨汤、麻婆豆腐、米粉汤都还算得心应手,但是红烧牛肉、清炖牛肉、卤肉、贡丸等还不是能很称心如意的做。厨房彷佛实验室,不是酱油要多一点就是香辛料要少一些、牛肉要先川烫再炒或不川烫直接下锅、火候要拿得准、用哪种糖烧肉肉质较不腻?冰糖还是三温糖?贡丸的绞肉粘稠度要捣得够才会Q等等,跟着YouTube里的烹饪大师大眼瞪小眼的。部分还要凭自己味道的记忆去调味。

  在居家自主管理期间一家四口人成天在家里,三餐都得准备。家人都成了我的实验品,每餐都不忘评头论足,经过几次的斟酌与改良,卤肉终于获得美食家女儿的认同。女儿说:「妈妈您卤肉的技术越来越高超了。连关东煮的牛筋也煮的一番好滋味又嫩又透。」多好的赞美。老公说:「台湾菜你会自己做那就不用回去了!」亲爱的老公,此话说不得!做的再好还是得回归原点重拾美食的记忆,这是需要回去充电的。

  现在哪儿都去不得,令人感伤。真希望疫情能早日稳定下来,让全世界的人可以自由往来各地。也让我能再度享受故乡的美食。

随筆 故郷の美食

齋藤 安奈

 私の父は台湾人、母は日本人である。両親は結婚後台湾に住み、私は台湾の高雄市で生まれ育った。だから台湾は私の故郷である。祖母と同居していたので、小さい頃から私たち一家の食卓には母が作る和食や洋食以外に、祖母の作る台湾料理も上り、大変バリエーションが豊かだった。祖母は料理に長けており、日常のおかずの他、節期に合わせたいろいろな伝統料理を作ってくれた。台湾の伝統習俗に関する私の知識は、祖母の「食育」によって培われたのである。

 十数年にわたって、祖母は毎朝豆乳とお粥を作って食べさせてくれた。そして、祖母の作る豚肉の煮込み、肉入り粽、スペアリブのスープ、麻油鶏(マーヨウジー)〔鶏肉の薬膳スープ【注1】〕、イカのすり身の揚げ団子、白玉汁粉は、どれも私にとって最愛の、忘れがたい味である。祖母に対する私の尊敬となつかしさは、今も変わることはない。母も、努力して中国料理を学んでいた。牛肉のピリ辛醤油煮込み、スズキの姿蒸しが母の得意料理となった。母が作ってくれる弁当はいつもクラスメイトの注目の的で、私も誇らしかった。

 週末の朝食はいつも、祖母や母の負担を軽くするために父が市場で買ってきてくれる焼餅(シャオピン)〔窯焼きした中華風ナン〕・油條(ヨウティアオ)〔細長い中華風揚げパン〕・肉まん・小籠包(ショウロンポウ)を食べる習慣だった。昼食には、店で買ってきた手作り水餃子を家でゆでて食べるか、鶏肉飯(ジーロウファン)〔茹で鶏のせご飯〕・肉燥飯(ロウザオファン)〔醤油で煮込んだ豚の細切れのせご飯〕・排骨(パイコー)〔骨付きロース肉〕弁当などを買って食べた。

 もちろん、食堂で食べることもあった。子どもの頃からずっと、一番好きだったのは、「港園牛肉麺店」で食べる牛スジとハチノスのおつまみと汁なし牛肉麺である。お腹に余裕があれば、向かいの「高雄牛乳大王」で500㏄のパパイヤ牛乳を飲む。

 時には、父がレストランを予約して、白斬鶏(バイジャンジー)〔蒸し鶏〕、鶏のカシューナッツ炒め、子豚の丸焼き、蜜汁火腿(ミージーフォートゥイ)〔ハチミツで蒸し煮した金華ハム【注2】〕、牛バラの醤油煮込み、北京ダック、飲茶(ヤムチャ)などを、大きな円卓を囲んで食べた。あれほど幸福だった時はなかった。

 大学への進学を機に、私は日本に来た。

 当時は、満足できるような中国料理や台湾料理の店がなく、中華料理店にはあまり行かなかったので、ラーメン、餃子、チャーハンも滅多に食べなかった。

 和食が好きな私には、それはたいした問題でもなかった。どうしても食べたくなったら台湾へ帰ればよいのだから。帰省するたびに、母は私のため、毎日市場へ行って新鮮な魚やエビ、ハマグリ、また野菜や果物を買い求めてくれた。「港都」と呼ばれる高雄は、海鮮料理天下一の名をほしいままにしている。果物の種類はより豊富である。台湾は「果物王国」として有名で、マンゴー・ライチ・リュウガン・グァバ・レンブ・バナナ・スイカなど何でもとれる。なんといっても一番おいしいのは旬の果物だ。

 父も、私が何を食べたいか、優しくきいてくれた。

 「そうさな、『国民市場』のヤギ肉スープ、四神湯(スーシェンタン)〔四種類の漢方が入ったモツスープ〕、豆花(トウホア)〔豆腐デザート〕、『雲家』のレモンジュース、それとも『六合夜市』の手羽焼き、台南担仔麺(タンツーメン)〔豚のそぼろ煮のせ麺【注3】〕、七賢路にある『阿婆仔氷店』の、小豆とタロイモペーストがかかったかき氷がいいかい?」

 どれも思い浮かべるだけでよだれが垂れそうだ。食べたいものの選択肢が多くてどうにも決められない。一日五食食べても追いつかない!

 歳月は川の流れのように過ぎ去り、日本に住む期間が長くなればなるほど、台湾の食べ物が恋しくなっていく。

 ここ数年では、日本でも自分で台湾料理を作ることで郷愁をなぐさめようと、台湾へ帰省したときには「全聯福利中心」という地元のスーパーや、ハイパーマーケット大きなショッピングセンターの「カルフール」、三鳳中街〔問屋街〕の中華薬材店、「宝雅」という小さいデパートなどへ行っては台湾の調味料・食材・インスタントラーメン・お菓子・日用品などを買ってくる。

 食材の買い出しは、まるで宝探しのようであり、実家に帰る楽しみの一つでもあり、決して飽きることはない。

 今年も台湾へ帰省する予定だったが、新型コロナ流行の影響で中止となってしまった。帰って美食を堪能できないなら、記憶を呼び起こしつつ自分で故郷の味を再現するしかない。

 幸い、家には台湾で買い求めてきた食材が残っている。もし「在庫切れ」していたら、横浜中華街に遠征しなくてはならないところだった! 高菜漬けと大根のスペアリブスープや、麻婆豆腐、汁ビーフンはお手の物といえるだろう。だが牛肉のピリ辛醤油煮込み、牛肉のあっさり煮込み、豚肉の煮込み、豚肉の団子などは、まだまだ得心のいくできばえではない。

 キッチンはまるで実験室だ。醤油を多めにするなら香辛料は少なめの方がいいだろうか。牛肉は炒める前に湯がくべきか否か。火加減も正確にしなくては。肉が脂っこくなくさっぱり仕上げるためには砂糖はどれを選んだらいいのか? 氷砂糖か三温糖か? 豚肉の団子は、挽肉をかき混ぜながら棒で搗き、粘りを存分に十分細かくして粘度を出して、初めてできあがりがQQ〔歯ごたえがある〕になる、などなど、有名シェフの大先生たちがYouTubeで公開する動画とにらめっこだ。それに自分の味覚の記憶を照らし合わせて工夫を加える。

 ステイホーム期間は、一家四人がずっと家にいたから、三度のご飯を作らなくてはならなかった。家族は私の実験材料となり、食事ごとに全て論評をしてくれた忘れなかった。何度もあんばいを変え、改良した末に、豚肉の煮込みはついに、美食家たるわが娘のお墨付きをえた。

 娘はこう言った。

 「お母さんの豚肉煮込みの腕はどんどん上がっていくね。おでんの牛スジだって味が良くなって、柔らかくてぷるぷるよ」素晴らしい褒め言葉。

 夫は言う。

 「台湾料理をマスターしたなら、帰省する必要はないね!」

 親愛なる夫よ、それを言ってはだめよ! どんなに料理が上手になっても、原点に戻って美食の記憶を繰り返し収集することが必要よ。つまり、充電のため帰省しなくてはいけないの。

 それにしても、今はどこにも行けないので、悲しい気持ちである。感染症が早く落ち着いて、全世界の人々が自由にどこへでも往来できるように心から願う。そして、再び故郷の美食が味わえますように。

【注1】麻油鶏(マーヨウジー)とは、鶏肉をゴマ油とショウガで炒め、米酒で煮込む料理のこと。麻油鶏のショウガが体を温めてくれるので、台湾では冬の寒い時期に好まれる。また女性が産褥期に体調を整えるために1か月間毎日欠かさず摂る薬膳スープでもある。
【注2】蜜汁火腿(ミージーフォートゥイ)とは、金華ハム(中国ハム)を薄くスライスしてハチミツなどで甘く味付けして蒸しあげた料理で、パンにはさんで食べる。宴会料理の一つ。
【注3】担仔麺(タンツーメン)は、エビのだしが効いたスープに、豚肉のそぼろ煮がのった台南発祥の麺料理。注文する時に中華麺かビーフンを選ぶことができる。

(高崎由理 訳)