中国語翻訳者になるために
はじめまして。
フリーランス4年目の中国語翻訳者です。
自動車関連の特許、ニュース、法規分野を専門として仕事をしています。
(文系出身で、翻訳者になってから自動車関連の勉強を始めました)
ここ数年、同じような境遇の方(子育て中や転勤族など)を中心に在宅で翻訳の仕事を始めたいという方からメールで相談を受ける機会が増えました。
私も実際にこの仕事を始めるまで、「翻訳者になりたい」という漠然とした目標はあったものの、「翻訳者になったらどのような仕事をするのか」、「どのような勉強をすれば翻訳者になれるのか」、「どのくらいの中国語のレベルが必要なのか」分からないことだらけで、翻訳者になるまでかなり遠回りもしました。
メールを下さる方もそのほとんどが私と同じような悩みを持ち、ただ漠然と中国語の勉強を続けているという方がすごく多くいらっしゃいます。
今回は、「翻訳者(語学のプロ)として仕事をしたい」という方向けに翻訳者という仕事について少しお話しをさせていただこうと思います。
1.中国語産業翻訳業界の現状について
10年ほど前、短期間でしたが一度フリーランス翻訳者として仕事をしていた時期があります。その当時は、まだまだ中国語翻訳者の数もさほど多くなく、翻訳会社の募集要項も「ビジネス全般」や「中国語ができる方」といった募集が多く、翻訳会社に登録後すぐに仕事がくることも珍しくありませんでした。
子供を出産後、二度目にフリーランスになったのが4年前で、前回とは少し状況が変わりつつありました。募集要項も「経験年数3年以上」「〇〇分野の翻訳者」といったより専門性をもった翻訳者の募集が増えていました。
そして、ここ数年中国語翻訳者の専門性もより高まり、私達翻訳者も自分の専門分野のみで仕事を受ける(その分野のみで十分に稼げる)翻訳者の数も増えてきました。
(中国語翻訳者は「通訳」、「翻訳」、「講師」を兼業しないと稼げないよと言われていた時代とは大きく異なります。)
単純な翻訳案件は機械翻訳やクラウド翻訳などに取って代わられ、より専門的な翻訳案件(機械翻訳では対応できない案件)に対応できる翻訳者しか今後は残っていけないとも言われています。
2.中国語の勉強ばかりしていませんか?
「中国語検定何級くらいが必要ですか?」、「どういた中国語の辞書を使っていますか?」、「今までどんな教材を使って中国語を勉強されましたか?」という質問をよく頂きます。
中国語力はもちろん高いにこしたことはありませんが、私自身中国語検定は大学以来受験していません(当時は就職のために2級を受験しました)。
また、この仕事を始めてから特に必要だと感じるのは、中国語力よりも、「調査力」「日本語力」「専門知識」「営業力」「自己管理能力」「IT」「翻訳スピード」だと思っています。(中国語の基礎力はもちろん必要です)
私の本棚を見ても、中国語に関する書籍(辞書含む)はほんの一部で、その他の部分を占めるのが「自動車分野に関する書籍」「電池分野に関する書籍」「特許分野の書籍」「法律に関する書籍」「業界専門誌」「確定申告に関する書籍」「フリーランスに関する書籍」などです。翻訳者でも担当する分野によって保有する書籍や勉強する内容は本当に大きく異なると思います。
中国語を勉強することももちろん大切ですが、中検1級を保有しているからといって翻訳者になれるわけではありませんので、まずは「翻訳者募集」サイトなどでどういったことが翻訳者に求められているのか、どういった分野の募集が多いのか色々自分で見てみると良いかと思います。
そして、大切なのは「いつまでに翻訳者としてどのくらい稼ぐ」ということを明確に決めて、そこから逆算して「今何をすべきか」ということを考えることだと思います。
次回は、翻訳者に必要な力を詳しく書いていきたいと思います。