【三言二拍(さんげんにはく)】 柳川俊之

明代末期に編纂された5つの短編小説の総称。

「三言」は『喩世明言』(『古今小説』とも呼ばれる)『警世通言』『醒世恒言』を、「二拍」は『初刻拍案驚奇』『二刻拍案驚奇』を指す。いずれも白話文体で書かれており、宋代の説話(市井で行われた講談のような話芸)に端を発する白話小説の集大成と言われる。「三言」は、主に宋・元・明代に作られた物語や小説を編者である馮夢竜(ふうぼうりょう)が加筆・整理したものであり、当時の社会生活の様子が描かれている。「二拍」は主に著者である凌蒙初による創作であり、明代末期の市民生活や思想、特に商業についての描写がなされている。

「三言二拍」から選りすぐった40編で構成される『今古奇観』は日本にも持ち込まれ、江戸時代に刊行された訳書『通俗今古奇観』が流行したといわれる。

なお、「三言」の編者馮夢竜は、日本の落語・小話に大きな影響を与えたといわれる『笑府』の作者でもある。

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