論説体翻訳のティップス〔1〕
まーくん
論説体の文を翻訳する場合に必要な知識をいくつか解説します。例文は、過去の論説体講座で使われた人民日報の記事です。また、訳は私が試訳としてつけました。
1. “A是B”
「AはBである」というのを“A是B”という構文で表しますが、論説体の場合、“是”に代えて“为”〔「為」の簡体字〕がよく使われます。
例文1
目前,南京老年人口总数为134.3万人。
(試訳)現在、南京市の高齢者人口の総数は134万3000人である。
例文2
今年8月份,全国平均降雨量为135毫米。
(試訳)本年8月の全国平均降雨量は135ミリメートルであった。
【注】確定した事実を強調するため「あった」と訳しましたが、単なる事実を示すとして「ある」としても良いでしょう。
例文3
2019年,宜昌全市入境旅游人数47.53万人次。
(試訳)2019年の湖北省宜昌市にやって来た旅行客総数は、延べ47万5300人であった。
[解説]“为”の述語が数量、年月日、出身地などである場合、“为”はしばしば省略されます。
【注】宜昌市のように、日本であまり通用していない街の名などは、所在地が分かるよう省名を補うと分かり易いです。宜昌市は長江の上流と中流の分界域にあり、三峡ダムがあります。